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【映画】クワイエットルームにようこそ

c0136564_23629.jpg【主なキャスト】
内田有紀、宮藤官九郎、蒼井優、妻夫木聡、りょう、大竹しのぶ
【鑑賞の動機】
DVD化をお待ち申しておりました!
【評価】
★★★★☆
※当然ながら評価はあくまでも個人の主観です。
 (C)2007「クワイエットルームにようこそ」フィルム・パートナーズ



 
 
【あらすじ】
佐倉明日香、売れないフリーライター28歳。
やっとのことでつかんだ800字の署名コラムの仕事もままならず、同棲している人気放送作家
・鉄雄(宮藤)ともささいなことですれ違いはじめ、仕事も恋愛も微妙な状態。
そんなある日、明日香は目が覚めると真っ白な部屋のベッドに拘束されていた。
そこは女性専用の閉鎖病棟にある「クワイエットルーム」と呼ばれる部屋だった。
薬とアルコールを大量に摂取し「オーバードーズ」の状態だったことから自殺を図ったと診断され、拘束部屋に収容されたのであった。
明日香には当日の記憶が欠落しているものの、「オーバードーズ」はストレスから勢いで飲みすぎてしまった結果であり正常であると主張するも受け入れられず。
担当医と保護者の同意がないと退院できないとのことで、個性の強すぎる精神病患者達との共同生活を強いられることとなる。

【感想】
※ネタばれ多いので、これから鑑賞予定の方は良くご判断ください※

☆勘定は4ですが、細かく言うと4.5点です。
原作本を前に読んでいたのでかなり期待していたのですが、期待通りの出来でした。
ちょっと最後はキレイにまとまりすぎかな?という気がしないでもないですが、あれはあれでありでしょう。
松尾スズキといい宮藤官九郎といい、阿部サダヲも含め大人計画恐るべし。
劇団に入れてくれないかな(笑)

話としては基本コメディータッチで描かれていますが、内容は結構重いです。
逆に言うと、コメディータッチじゃないと気軽に見れる話じゃないし、基本コメディータッチだからこそ、その中身の重さが引き立つのかもしれません。
「人生って重いものよ~!」
元AV女優の精神病患者役・西田(大竹しのぶ)のセリフですが、この一言、本当に重いです。

序盤~中盤にかけては、とにかく精神病棟にいる個性的な人々と内田有紀演じる明日香のまともな人間っぷりとの対比が主。
「オーバードーズ」で運び込まれたとはいえ思考も行動も正常な明日香からすると、まわりにあるのは非日常で異常なことばかり。
とにかく誤解を解いて早く退院することを目指して奮闘、観ている側もそれを応援したくなる話の展開の仕方。

終盤、クセモノ西田の盗みがきっかけで、鉄雄から明日香へ向けられた手紙の中身が露見することとなり、真実が明らかになる。
これがねぇ。。。本当に重いんですよ。
映像は明るく作られてますが、言葉にすると「元ダンナの自殺」「堕胎」「勘当されている父親の突然死」「親との確執」「不眠症」「睡眠薬」。
フィクションとはわかっていながら、主人公が背負っているものの大きさの想像を絶することと言ったら、もう。。。
実のところ、本当は背負っているものの大きさに耐え切れなくなって死のうとしていたんではないか、という展開へ。
終盤は本当に引き込まれて没頭してしまいました。

ただ、最後は非常に前向きな展開で救われました。
冒頭にも書いたとおりキレイにまとまりすぎな感はありますが、あれくらいじゃないと明日香も救われないでしょう。
最終的に明日香は病院内での生活を通し、過去にケリをつけ今までの自分にキッパリと決別を果たし、新たな一歩を踏み出すわけです。
なんだか単純なようですがdaiskeはこの作品に少し勇気というか前に進む力をもらった気がします。

続いて役者評、まずは主役の内田有紀。
正直好きでも嫌いでもなかったけど、この映画の彼女は良かった。
吉岡秀隆と離婚して芸能界復帰、「医龍2」でも好演していたし女優として「TENCAを取ろう」みたいな感じなんでしょうか(わかる人いるのかな。。。)。
少しネジは緩いけど自分に正直でまっすぐな役柄で、非常にチャーミング。
年が近いせいか、応援したくなっちゃいますね。

宮藤官九郎も演技力どうこうというか、彼の持つ雰囲気が役柄にマッチしてました。
基本情けなくて、選択肢がある場合には必ず「逃げ」を選ぶ人気放送作家。
素の彼は知らないけど、松尾スズキは最初から彼を思い描いて小説を書いたんじゃないかと思うくらい。

他にも、大竹しのぶや妻夫木聡・りょうなどそうそうたるメンバーが揃ってましたが、この作品で一番誰がすごかったって。。。蒼井優。
拒食症(と言いながら。。。?)の役だけど、この作品の彼女は本当に食事が出来ないんじゃないかと言うくらい、すごくガリガリ。
さらに、内田有紀と顔をくっつけるシーンでも明らかに蒼井優の方が顔が小さい。
内田有紀だって別に顔が大きいわけじゃないだろうに。。。
顔の大きさはともかく、この役作りの徹底振りはハンパじゃない。
今まで彼女の出演作はいくつか観ているけど、今回は演技力はもちろん、彼女の女優魂を垣間見た気がします。

前に「鹿男あをによし」で触れた多部未華子といい、今の日本映画界には将来有望な若手の女優さんが目白押しです。
妥協などせず仕事を吟味して出演作を丁寧に選んで、順調に大きくなっていって欲しいな~と思います。
本格派の卵たる女優陣が多いのに比べ、男性陣はいまいちパワーがないかな。。。
個人的には渡辺謙や佐藤浩一、大沢たかおに俳優としての魅力を感じるのですが、若手でいまいち目立つ存在が。。。
って、今書く話じゃないですね。

「クワイエットルームにようこそ」、かなりネタバレ多めに書いておいてなんなんですが、よい作品なので本当にお奨めです。
特にいまいち人生がうまくいってない人(?)や何か煮え切らないものを抱えている人(??)にお奨め。
きっと前に進む力をくれると思いますので、是非是非ご覧あれ。

【追加の感想その1】
一番笑えたのは、ハリセンボンのはるかの鼻水のシーン!
ひとりの部屋で思わず手を叩いて爆笑(笑)
内田有紀の肩の落とし方も完璧でした。

【追加の感想その2】
明日香が退院して外に出た時に救急車で運び込まれた患者さん。
それが誰だったかわかった時。。。思わず絶句。
いや、喋っていたわけないんですが、本当に絶句。
ある意味、もしかしたら作品中で一番心にささったシーンだったかも。
本で読んで知っていたはずなのに、すっかり普通に観ちゃいました。

クワイエットルームにようこそ 特別版 (初回限定生産2枚組)
/ 角川エンタテインメント
ISBN : B0011JPENC
スコア選択: ※※※※

by daiske-s | 2008-03-23 01:25 | 映画