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【映画】転々

c0136564_2484410.jpg【主なキャスト】
オダギリジョー、三浦友和、小泉今日子、吉高由里子、岩松了
【鑑賞の動機】
だっていつの間にかレンタル開始してたんだもん。
【評価】
★★★★★
 (C)2007「転々」フィルム・パートナーズ    ※当然ながら評価はあくまでも個人の主観です。



 
 
【あらすじ】
ただ何となく日々を過ごしている文哉(オダギリ)は大学8年生、80万円程の借金がありサラ金の取立て屋・福原(三浦)から追い立てられている。
3日間という返済期間を掲示されたものの返す充てなどなく期限が近づきつつあった時、なんと当の福原自身から借金を返済する方法を提案される。
それは福原と2人で東京を散歩をするというものでゴールは霞ヶ関だという。
その報酬として借金の棒引きと現金100万を支払うという申し出に文哉は選択の余地はなかった。
待ち合わせ場所の井の頭公園をスタート地点に、2人の東京散歩は始まったのであった。

【感想】
「三木ワールド」が好きな方は是非!
いろんなところに「三木スパイス」が散りばめられています。
ところどころに「クスッ」と笑ってしまう小ネタが満載、それでいて「ホロッ」とさせてくれる場面もしっかりあり。
既に「時効警察」などで「三木ワールド」を確立させているからこそ、受け入れられた作品ではないでしょうか。
逆に言うと、あの手のタイプの作風にアレルギーがある方には理解が得られない作品かもしれませんが。。。

オダギリジョーが演じる冴えない大学8年生(←この時点で相当冴えてない)が半ば強制的に、三浦友和演じる借金取りに散歩をつき合わされるというストーリー。
当初は当たり障りのない会話ばかりだった2人が、お互いの過去を少しずつ話していきます。
これは完全にネタバレですが、借金取りの方は、意図するところではなかったとは言え妻を殴り殺してしまったことを散歩の途中で告白、対して大学8年生の方は、過去や家族構成を問われ、両親は小さい頃に他界しいていて更に育ての父親は警察に逮捕されていてずっと天涯孤独の身であったと打ち明けます。

借金取り・福原の妻は実は若い男を買い漁る行為をしており、福原が妻に手を上げた理由もそこにあったとのこと。
ものすごく端的に言ってしまうと、文哉も福原も次元こそ違うものの家庭や家族に問題があったという境遇。
特に文哉の方は、福原の質問に答える形で「もう何年も泣いたり怒ったりしていない」というようなことを話しており、本当の家族でもない人に感情を昂ぶらせるのもどうかと思うという趣旨で、それくらい家族というものに思い入れがないのです。

そんな2人の散歩道ですが、実は福原が歩いているのは妻と一緒に散歩した思い出の道や土地。
それは一緒にお参りした神社だったり、喧嘩の後の仲直りの合図として行っていたデザートを食べさせてくれる食堂だったり。
借金取り・福原に関しては、登場シーンをはじめとして破壊的というか暴力的なキャラクターがフォーカスされていたこともあり、妻を想う気持ちとのギャップが大きくせつなくなります。

そしてもう一方のオダギリジョー。
散歩を続ける2人は途中、かつて借金取り・福原がひょんな経緯から夫婦(役)を演じたことのある麻紀子(小泉)の元に身を寄せることとなりますが、その3人に麻紀子の姪・ふふみ(吉高)を交えた4人で、擬似的な家族を演じることになります。
その生い立ちから「もう何年も泣いてなく」て「本当の家族でもない人に泣いたり怒ったりするのもおかしい」を思っていた文哉は、4人でカレーを食べていた際に、不覚にも涙を流すのです。
どこか家族というものに対し冷めていた文哉の心境の変化をもっとも表しているシーンです。
「カレーを食べる」ということに実は深い意味があるからなのですが、これについてはここでは一応伏せておきます。

配偶者であったり親であったり、現代ではその関係が希薄になりがちな「家族」にスポットを当てた作品だと思います。
「三木ワールド」ということでアプローチはかなり独特ですし好みが分かれるところでしょうが、久し振りに5点満点を付けさせていただきました。
ところどころ小ネタに笑わせてもらいつつも最後はじ~んとさせてもらいました。
まだ霞ヶ関に行かないで、もっと「転々」と散歩を続けて欲しい、終わらせないで欲しいと思わずにはいられませんでした。
最後はあまりにもあっけなかったような気がしますが、あれはあれでいいんでしょうね。

ところで、この作品で一番何が良かったって、daiske的には借金取り役に三浦友和をキャスティングしたところだと思います。
三浦さん自身、ああいう役どころは今までになかったのではないでしょうか。
相当クセのあるキャラですし(特に登場シーン)、髪型も襟足が長いという。。。
もし「台本読んでキャスティングしろ」という指令が下ったならば、私だったら佐藤浩一さんを選んだかもしれません。
佐藤さんは割と現代劇でクセのある役もこなしてきましたし。。。でも三浦友和さんはまったく浮かばなかったでしょうね。
どこかの映画解説サイトさんで、本作品での三浦さんの演技を評して「妙演」と表現していましたが、まさにその通りだと思います。
あの役は三浦さんが演じたからこそ、クセがありながらも哀愁も漂わすキャラになったのだと思います。

あー、なんかいざ書き始めたら長くなっちゃいました。。。
良かったと思えた作品は書きたいこといっぱいですが、さすがに結構なネタバレしてますんでこの辺にしておきます。
お時間のある方は是非!
要注目ポイントは「三日月しずか」?、もしくは「岸辺一徳」?

転々 プレミアム・エディション
/ ジェネオン エンタテインメント
ISBN : B00147VJVM
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by daiske-s | 2008-05-06 03:16 | 映画